海外からの留学生はオーストラリア大学のいわゆる入学試験というものはありません。日本の高校の成績や大学の成績と、英語のレベルで合否が判定されます。必要なステップさえ踏んで行けば誰でもオーストラリアの大学に進学することは可能と言えます。
目次
オーストラリアの大学とは
オーストラリアの大学はほんの数校を除いて全て公立です。
大学教育は、判断力、創造力、分析力、応用力を総合的に身につけることを目的とし、専門分野の理論を勉強していきます。大学では多大な学習量が要求され、中間試験と学期末試験のみならず、レポート、ディスカッション、グループ発表など多くの課題が提出されます。また、授業中の発言は、授業にどれほど貢献・参加しているかという点が考慮されるため、非常に能動的な授業風景となります。
オーストラリアの大学の教育レベルは世界的に高く評価されています。オーストラリアではYear 11(日本の高校2年生)で専門過程を選択し、その分野における基礎を勉強しているため、大学入学後は日本の大学と違って一般教養過程が無く、即専門課程に入ることになります。このためシステムの違う国から来る留学生にはスムーズにオーストラリアの大学で勉強が進められるようDiplomaコースやFoundationコースを設けている大学も多々あります。
大学のコースにもよりますが、修学期間は基本的に3年間で、1年は2学期からなります。
授業料は1科目ごとに支払う形式で、必須科目を落とすと再履修の際にまた授業料がかかります。
一般的な大学の講義の例
- 2~6週目:
講義。最近は多くの大学でオンラインで学生ポータルにログインして課題や予習事項を事前にチェックし授業に臨む形をとっています。グループワークのミーティングの日程を決めたり、課題の締め切りを確認したり、大事な情報が更新されていないか常時チェックしましょう。 - 7週目:
Mid-Term Examination(中間試験) - 8~13週目:
講義。この間にグループプレゼンテーションや、その他の課題、グループレポートの提出も行われます。 - 14週目:
Final Examination(期末試験)
一般的な成績のつけ方の例
- Mid-Term Examination: 20%
- Group Presentation: 15%
- Group Assignment: 20%
- Class Participant: 5%
- Final Examination: 40%
オーストラリアの大学を選ぶ理由
教育水準の高さ
オーストラリアの教育システムでは日本の高校1年生にあたるYear10で、職業訓練校に進学するか大学に進学するかを決めます。経済が安定しているオーストラリアでは、どの職業に就いても将来性があり、職業と勤務年数によって最低賃金が細かく決められているので一度資格を取れば安定した給与で生活することができます。そのため「何となく大学に進学してみよう」という学生の数は少なく、オーストラリアの大学生は勉強したいコースと将来就きたい職業が非常にはっきりしている勉強意欲の高い学生ばかりです。
オーストラリアにはおよそ40の大学があり、この大学の他にも大学レベルのコースを提供する専門学校などは全て政府の機関による認可を受ける必要があります。この機関は各大学の学生数、修了者数、学生の経験値、スタッフの質、大学の経済状況などを定期的に監査し、オーストラリアの最高教育機関である大学の質の高さを保っています。
世界的に高いランキング
数の少ないオーストラリアの大学ですが、世界大学ランキングでは常に上位200以内に8~10校がランクインしています。また、科目別やリサーチの分野でも世界大学の上位100位以内にオーストラリアの大学の名が見られます。
Academic Ranking of World Universities
The World University Rankings
就職に有利
世界中から留学生が集まるオーストラリアの大学では、その卒業生の就職先も国際的です。大学では卒業生がどのように就職活動をしたかゲストとしてセミナーで体験談を在学生と共有したり、大企業の人事課の人を招いて話を聞いたりと、学生の就職活動をサポートしています。
オーストラリアの大学には海外にキャンパスを持つ大学も少なくありません。コースに含まれるインターンシップでは、オーストラリア国内だけでなく各国の企業と提携し学生を派遣しています。これらインターンシップは多くの大学で実施されており、学生に国際的就業体験を可能にし、その経験を活かして大学修了時にはキャリアを1歩先からスタートできる機会を学生に与えることを目的としています。
また、オーストラリアの大学を卒業すると1.5年~2年間有効な就労ビザを申請することが可能です。これはオーストラリアで勉強したスキルや知識をオーストラリア国内の企業で発揮することを可能にし、このビザで就労経験を活かし更に世界で活躍できるチャンスが広がります。更に、大学で勉強したコースによってはオーストラリアの永住ビザを申請することも可能です。
※就労ビザ、永住ビザについては様々な条件や種類があります。エクセルまでお問い合わせください。
留学生が多い
オーストラリアの大学は世界でも留学生を多く受け入れています。世界中から集まった留学生と意見交換し、交友を広げることは一生涯の財産となります。特にオーストラリアでしかできない実施調査を含む地質学、海洋学、観光学、環境学などの分野が留学生に非常に人気です。
また、各大学には留学生サポートデスクがあり、英語での課題提出や留学生活の悩みに応える体制が整っています。留学生専用の寮やホームステイ、情報センターなど留学生へのサポートがしっかりしているのも魅力です。
大学のコース概要
Arts
中国語やフランス語といった語学、哲学、フォトグラフィ、科学技術、社会学、英語文学、歴史など
Business
ビジネス、ビジネス情報システム学、商業、経済学、財政学、会計など
Communications and creative arts
通信メディア、ジャーナリズム、3Dアニメーション、広告、パフォーマンスなど
Education
保育、初等教育、中等教育
Engineering and design
工学、建築学、ソフトウェア工学
Geography
地理学、科学、持続可能コミュニティ
Health and medicine
運動科学、運動とリハビリテーション、健康科学、薬学、看護学、海外で看護師のための看護学、栄養学、栄養科学など
Humanities and social sciences
社会科学、犯罪学、宗教学、政治学、国際政治学など
Information and communication technology
ビジネス情報システム学、コンピューター科学、情報科学、人工知能学、ITサービス、ロボット学など
Law
法律
Mathematics and statistics
数学、数学と経済、医療数学
Physics
医療放射線物理学、科学
Psychology
心理科学
Science
国際科学、地球環境科学、生命科学、分子科学、化学、免疫学、動物科学など
Social work
社会福祉学
Sport
整体学、スポーツ科学、健康科学、栄養科学、スポーツコーチング、スポーツマネジメント
Environment and marine sciences
環境学、海洋学、海洋科学
Diploma/Foundationコース
ほとんどの大学では、直接入学の基準に満たない学生のためにDiplomaまたはFoundationと呼ばれるコースが用意されています。日本での学業成績が入学基準に満たない場合や英語に自信のない学生はこのコースから始めることでスムーズな大学就学を始めることができます。もちろん、Diploma/Foundationコースにも入学基準があるため、それを満たしていることが必要となります。コースにはオーストラリアの高校卒業試験で希望の大学コースの入学基準に満たなかった学生も一緒に勉強します。
コースでは大学1年目と同じ内容の講義を受けることができ、コース修了時にはほとんどの場合大学2年次へ編入できます。
Diploma/Foundationコースの就学期間は一般的に1年間ですが、4カ月~1.5年とコースに幅を設けている大学もあります。このような大学では、申請者が大学進学の申請書を提出し、あと少しアカデミックなスキルを磨けば大学進学できると判断されれば4カ月、英語力も学業成績も大学進学に遠いと判断されればアカデミックな英語とスキルがしっかり勉強できる1.5年と、大学側から期間を提示されるのが一般的です。
Diploma/Foundationコースの特徴
- クラスの学生数が少なく、全ての学生に先生の目が行き届く環境。
- 大学での勉強に向けてアカデミック英語を学ぶクラスを選択できるプログラムがある。
- 大学での勉強で必要となるクラスでのディスカッション、グループワーク、課題などについての初歩的なことから学べる。
- 編入後の大学2年次から勉強内容がより複雑且つ難易度が高くなる前に、その基本となる1年目の勉強がしっかりとできる。