オーストラリアでの医療事情を、日本でも医療に関わっていたNomura先生にインタビュー!

Nomura先生 日本での職業:整形外科医
オーストラリア滞在期間:2013年10月4日~2015年1月4日
日本では整形外科医として勤務。更なる医療研究を求めてやってきた野村先生に、シドニーでの研究の現場についてお話を伺いました。
Q:日本ではどのようなことをされていたのか教えてください。


福岡大学整形外科学教室に所属し、整形外科医として病院勤務をしながら大学院へ進学して臨床研究を行なっていました。

Q:オーストラリアでは何をされていますか?

ニューサウスウェールズ大学(The University of New South Wales)の研究室(Surgical and Orthopaedic Research Laboratories)で Research fellowとして整形外科に関する研究を行なっています。

Q:医療関係の職場で勤務または研究をする上で英語はどの程度重要でしょうか?

オーストラリアではコミュニケーションは全て英語になるため、その重要性に関しては言うまでもないかも知れません。また研究職に関してはボスの意向によると思いますが、医師や看護師として臨床を行うためにはOET・IELTSなど国が定める語学試験で高得点を取ることが必要となります。

日本では、医療関係者に必ずしも高い英語力が必要というわけではないと考えられがちですが、医療の国際化に伴い英語力が必要になってきているのも事実だと思います。

Q:日本とオーストラリアの医療制度等で気づいた違いを教えてください。

オーストラリアでは病気になった場合は、はじめにGP(一般開業医:General Practitioner)の診察を受けます。GPに専門医(specialist)の治療が必要と判断された場合は紹介状を書いてもらい、そして専門医の診察を受けます。日本では紹介状がなくても自由に専門医や大きな病院を受診することができますが、オーストラリアでは緊急の場合を除き紹介状がなければ直接専門医や大きな病院を受診することは困難です。

また日本とオーストラリアでは保険制度も異なります。オーストラリアにもメディケアという日本の国民健康保険のような公的医療保険はありますが、歯科やプライベートホスピタルなどでの治療はメディケアではカバーされません。ですので、多くの方が民間医療保険にも加入していますね。

Q:日本とオーストラリアで勤務されて、どんな違いがあると感じましたか?

オーストラリアは多民族国家で、他国の医療関係者も積極的に受け入れています。ですから、日本と異なり様々な国の出身者が同じ研究室に在籍しているのが一番の違いですね。多くの国の研究者と関わりを持つことが出来るので、非常によいと思います。また、日本と比べ他施設との共同研究も多く行われているように感じました。

オーストラリアでは当たり前の習慣のようでが、お互いの事をボスも含めてFirst nameで呼び合う習慣があります。それぞれの人柄もあるとは思いますが、こういった習慣から日本に比べると上下関係や横のつながりが非常にオープンであるように感じました。特にボスとの距離は日本と比べ非常に近く、ボスを含めた研究室のメンバー同士の交流も盛んに行われています。

Q:オーストラリアの医療関係施設に関ったことで、今後の人生にどのように影響していくと感じていらっしゃいますか?

日本の医療関係者の中には「日本は医療先進国だから海外留学しても日本とやっていることは同じで得るものは少ない」と考える人もいますが、日本とオーストラリアでは医療システムや医療・研究環境が異なり、その過程においては日本と大きな違いがあります。

今私は日本では経験できない多くの事を経験しています。今後の人生に、この経験がどう影響していくのかはまだ分かりませんが、この経験を生かして少しでも医師としてステップアップできるよう今後も努力したいと思います。